さぁ、油断せずにいこう/ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学 vs 氷帝

ちゃんと観たものを記録しておこうと誓ったはずなのに、2年もブログをサボっている。そんな私がブログの存在を思い出したのは、さすがにさすがに書いておかないといけないものにハマってしまったからです。そう、ミュージカル『テニスの王子様』…若手俳優の登竜門、2.5次元舞台の先駆け、2023年には20周年を迎える2.5次元界の古典ことテニミュです。青春学園氷帝学園の関東大会での戦いを描く「4thシーズン 青学vs氷帝」公演が、3月5日に幕を下ろしました。

www.tennimu.com

東京(TACHIKAWA STAGE GARDEN):2023年1月7日(土)~15日(日)
大阪(メルパルクホール大阪):2023年1月20日(金)~29日(日)
福岡(キャナルシティ劇場):2023年2月3日(金)~5日(日)
岐阜(土岐市文化プラザ サンホール):2023年2月17日(金)~19日(日)
東京凱旋(TOKYO DOME CITY HALL):2023年2月25 日(土)~3月5日(日)

私がテニミュにハマった経緯はどうでもいいんですよ!!!とにかくちょうど1年前、私が高橋怜也くん演じる跡部景吾様に爆ハマりし原作を読破、どう考えても氷帝推しであるからにはきたるべき氷帝公演に全力を出すべきだな…と確信し*1、実際に全力を出して28公演観たというのが前提です。いやもう本当にね…疲れました。現場に通うって、何かを犠牲しなきゃいけないんだな…って体感する日々だったね。公演時間、休憩除き3時間てことは、1月7日から3月5日までの2か月間でのべ84時間テニミュ観てた計算になる。しかももっともっと観たかったなぁ~~って思ってるから…テニミュって本当にヤバい催し…

本題としては、じゃあなぜそんなに観れたのか、という話で。テニミュを84時間観る中で考えたことなどを残しておこうというブログです。常々テニミュは「キャストの成長を見守る舞台」と言われていますが、どちらかといえばそれは“結果”の方で、前提にあるのは「テニスの試合の“すべて”を再現する」ことなんだ!と急に理解したんですよね。しかも再現するのは試合“だけ”じゃない。勝敗が選手にもたらすもの、試合に至るまでの努力、試合直前のプレッシャー、急なアクシデント、応援が選手の力になること…試合にまつわる“すべて”を再現するのがテニミュなんだ!と*2

テニミュは「完成されたショー」である前に「どちらが勝つかその瞬間までわからないテニスの試合」でなければならない。そう考えると何十回観てもまだ足りないと思うのは当然です。だってスポーツの試合に「○試合観たら満足」ってないじゃん。もちろんある程度「シーズン初日の試合」とか「優勝がかかった試合」というのはあるけど、今日ノーヒットノーランが達成されるかもしれないし、明日ハットトリックが決まるかもしれないし、あさって主力選手が故障するかもしれない。「伝説の試合」はあっても「完璧な試合」がないように*3テニミュもまた、「完璧な物語」である前に「本気の試合」じゃないといけないんだね。たとえ技術があっても、“試合”を筋書き通りに流してしまう役者ではいけない。毎試合アツくなって、ちゃんと本気で試合できる役者を選ばなければならない。その結果キャストが成長するのは当たり前なんだな、という話です。もちろんその“真剣勝負”は“演劇”の枠の中で行われるわけなので、この入れ子構造というか…どちらも成立させるテニミュのバランス感って、やっぱり発明だったんだなと思いますね。演劇であり、スポーツでもある。「材料は公開できるけど、配合の割合は企業秘密」みたいな感じ。

別にどのスポーツモノ舞台も″本物の試合”を目指してるとは思うんだけど、テニミュは役者をそこに導く手練手管がヤバすぎんだろ~~と驚くことが多い。そもそもシーズンを繰り返して同じ役を演じ継ぐシステムがヤバいんだよな。所属チームという横軸のつながりとは別に、○○代目という縦軸のつながりが同時に発生するっていう…。それこそ部活や伝統芸能と同じ仕組みというか。ポジションを与えられることでそう振る舞うようになる心理作用って絶対あると思うから、外堀から埋めていくのってあまりに効果的…。それはオタクにとっても同様で、「○○役ならこう」「○○戦ならこう」という理想やステレオタイプが生まれやすい環境なのでしょう。シーズンを繰り返すごとに「この○○が好き」が「○○じゃないのは許せない」に先鋭化するのはまぁ、当然の摂理という感じ。常に己を顧み、「違う」ことを歓ぶ意識を持たないとすぐ厄介オタクに成り下がる環境だなと痛感したので、今後気を付けようと思います!!テニミュというシステムはあまりに完成されていて、それ一つで完結しているように思う。ということはつまり、外部の影響を受けずに済むということで。20年間で構築され強固になったテニミュというシステムは「テニミュだけを趣味にして生きていく」ことを可能とする一方、“外”の空気に触れないと視野は狭くなり思考も偏るから、テニミュ以外のものも観ておかなきゃなって強く思う私でした。自分の中の正解以外を認めたくないオタクになりたくねえ~。現実が受け入れられないのは仕方ないけど、仮想敵を作ってまで文句を言うのは自分から嫌いになりにいってるようなもんじゃない?公演期間中、TLの外に出てはアンチのツイートにぶち当たって不愉快になる愚行を何度も積んでしまった。アーメン。テニミュしか趣味がないと、そのテニミュが好みじゃなくなったときに諦められないんだろうな。

ていうか、テニミュに限らず「同じものを何度も繰り返し見る」「ある程度の困難を強要してアクセスさせる」って入信・洗脳の常套手段すぎるよね…劇場に向かいながら・試合を観戦しながら己に問いかけることも多すぎて*4、特に後半戦は禅の修行か…?と戦慄することもしばしばでした。やっぱ同じものを繰り返し見るってヤベーんだよな。もちろんセリフやリズムも覚えるし、研ぎ澄まされて見えないはずものが見えてくる感覚がある、いやマジで!ほんとに!ある種の神秘体験!

そして今回の公演を振り返る上で避けて通れないのが最後の10日間ですよ。立川・大阪・福岡・岐阜を経て最後のTDC公演、2月25日から3月5日までの10日間の出来事はこちら。

2月21日(火):菊丸英二役の富本惣昭くんが右脚を負傷、TDC公演は声だけで出演することが発表
2月25日(土):TDC公演開幕
2月28日(火):関係者複数名が急性胃腸炎を発症、公演中止
3月1日(水):引き続き公演中止
3月2日(木):公演再開も、跡部ソロ曲中にりょうやが明らかに声に変調をきたす
3月3日(金):りょやべ、セリフは生声だが歌はほとんどが録音で対応*5
3月4日(土):りょやべにドクターストップがかかり2公演中止、しかし数曲披露の特別パフォーマンスを実施
3月5日(日):公演再開、引き続き歌はほぼ録音で何とか千秋楽をやり切る

ザ・満身創痍!!!!!こんなことある!?いやこれ以前も怪我とかインフルとかあったけど…それでもギリギリ持ちこたえてきて、さすがに地方回りきってもう普通にやるだけだろ!と思ったらこれ。初日観て「これ…りょうやと心中する公演っすね!ガハハ!」などと笑っていたが、まさか現実のものになるとは思いませんでした。そもそもりょうやの負担がでかいとか、怪我して声だけの出演ってどうなんとか、28日・1日は特別公演もなくただ中止なだけだったのがなんとなく不平等だとか、ありとあらゆる愚痴られポイントが発生してしまった罪深い10日間。しかし持ってるチケットも推しも違う中での「そもそも論」って…なんか…どうしようもないというか…「そっか~、そっちから見たらそうかもしれないね」以上の結論を生むことって…あんまり…なくない?だから私はイレギュラーが発生したときに浮き彫りになるものを考えたい。つまり「私は(あなたは)いったいこの公演の何を観たいのか」ということです。

もちろん何もないに越したことはない。本当にそれはそう。みんな大好きだし全員無事に舞台上にいてほしい。でも私は①跡部くんとりょうやのファンなので、菊丸がいなくてもりょうや演じる跡部くんがいるなら全然チケット代を払うに足りる。②じゃあその跡部くんの一部…しかもりょやべ最大の武器であり公演のキモである歌が失われたらどうする?③そしてその肉体すらも消えてしまったら?この順を追った“if”がすべて現実のものとなり、自分に突きつけられる衝撃ったらないよね~!!!!!①は①で「2.5次元舞台において“声だけの出演”を出演と認められるのか?“舞台に出演する”の定義は何だ?」と、結構痛いところを突かれるわけですね。それはファン、観客、消費者としてのエゴと直面することと同義。だから結構ウワッてなるんだけど、自分にとって最善の選択肢を迷わず取るためにも、考えておかなきゃいけないことだなと思った。ちなみに私は②を「りょやべちゃんの顔が好きすぎて3時間顔だけ見て過ごせるから全然いける」、③を「むしろ“跡部景吾のいない氷帝学園”というありえない光景を見逃せない(別に跡部くん"だけ"を観にいってるわけでもないし)」という理屈でクリアしました。ただ③をクリアできたのは私が多ステしてたからであり、1枚だけチケット持ってる公演で跡部くんの肉体が不在だったら違う結論になるかもしれないね。でもそれって観る母数を増やすことである程度軽減できるリスクだからな~*6。「そんなに入れない」という一般論を踏み越えて(いろんな犠牲をはらって…)頑張ったし、全BETする価値があると信じて賭けたことで結果的に「推しのいない公演」もバリエーションのひとつとして楽しめた側面がある。早々に全BETした自分を褒めたい。起こりうるすべてを楽しむために必要な多ステだったなと痛感。

とはいえ一人の役者*7があからさまに調子を崩すところをドキュメンタリーで観てしまった動揺は…ある…。ま~~じで3月2日の2幕のこと忘れらんね~~!喉潰したというより「ある一定の高さ以上の音が出ない」って感じだったんだよね。だから途中まで全然気付かなかった。キーの高いソロ曲で出るはずの高音が急に出なくて、本人も「え!!!!!???」って感じだったな…思い出すだけで胸が痛い…し、文字通りマジでTDCにいた全員、キャストスタッフ観客が一人残らず冷や汗をかき、頼む早くこの曲終わってくれ!!!と願った戦慄のトリックスター…。「ここは…出るか!?」とチャレンジしてやっぱり出なくてどんどん不穏になっていくというね。昨日までできてたことが急にできなくなるって本当に怖いと思う。これがトラウマになってないといいなーと願うのみ…(ちなみにそれ以降、キーの高い曲は録音口パクになった)。心配だけど、でも今後舞台に出続けるなら同じような*8ピンチは降りかかってしまうでしょう。この経験を乗り越えてデカくなれ、りょうや…

…などと言いつつ、貴重なもの*9を観れた喜びがないとは言えないのが私の罪ですね。心底気が気じゃない10日間を過ごしたものの、舞台上でイレギュラーが起こっていることにワクワクする自分は確実にいた。せめてこの罪と業を自覚しながら、地獄に落ちる覚悟でオタクとして生きることをここに誓いまーす!(選手宣誓)

あとイレギュラー要素に関していうと、「見えないものを見えるテイにする」のは演劇でしかできないことなんだなぁと思ったりもした。そもそもテニミュ自体が「ボールを使わずにテニスを表現する」作品なわけで、「声だけの出演ってどうなん」とか「声が出ないなら出演を止めるべきでは」という議論が生まれてしまうのは皮肉っすね。改めて「肉体を舞台上に置けず声だけ出してるキャスト」と「肉体は舞台上に在るが、肉声で歌えないキャスト」が同時に発生してしまったの、皮肉が過ぎるだろ…テニミュの神が与え給うた試練かよ!?

なんかそういう、「よりによってこんな文脈が生まれてしまったんだが!!」という宿命的な符合がたくさん起きてしまった公演だったように思いますね。たとえば手塚と跡部の役割が逆転したり(手塚の「持ちこたえてくれ」という呟きが跡部に語り掛けているように聞こえる、宿命的な倒錯!)、姿の見えない菊丸が歌う「まだまだおまえとボールを追いかけていたい」だったり、「今までの物語が諦めを許しはしない」「俺たちの結末は誰にも分かりはしない」だったり。特に歌詞とのリンクがハンパではなく、それってさ………「テニスの王子様」が“人生”の縮図だからじゃない!!!!!???*10。「テニスの王子様」は人生である、テニミュの歌詞は「テニスの王子様」をもとに書かれる、よってテニミュの歌詞もまた人生を描いたものである…………QED!!!ガバガバ三段論法。しかしまぁ、「テニスの王子様」とはそれぞれのプレイヤーが試練に立ち向かって自分を成長させる物語であるからして、まさに目の前の試練に立ち向かっているカンパニーにシンデレラフィットしてしまうのはやむなしですな。なすべきこと、それはテニスだろ…。てかこの曲本当に…名曲だな…。最後の最後で寿司エピローグ*11に強烈な“意味”が生まれたのもゲキアツだったよ。しんどくて悔しい戦いを終え、あえてはしゃいで跡部くんに絡む部員たち…に「おまえら、ありがとな」と呟く跡部くん。完璧なエピローグだった。

ここまで公演の中身に何一つ言及してないな。シンプルにめっちゃ面白かったです。3時間20分の公演があっという間だと思えて嬉しい。私は舞台を観ていて″無”になる時間が苦手なので、必要なシーンだけを積み重ね、テンポよくサクサク進むのが好きでした。そもそも関東氷帝戦自体がむっちゃ面白いんだよな~~!ちゃんと1試合1試合が次の試合につながって大きな因果を生む完璧な構成だもんね。特にタカさんvs樺地、おそらく実力では樺地に軍配があがるはずのところをタカさんが身を挺してノーゲームに持ち込んだ、その結果として補欠戦まで試合が進んでリョーマが登板し青学が勝つという、伏線と回収があまりに美しすぎん!?と改めて感動。原作読んだときは「なんか…なんかエモい!」というところで思考停止した手塚vs跡部戦も、結構大胆にそぎ落とされたことで「あー、そういうこと!」ってシンプルに理解できたと思う。D1乾海堂vs宍戸鳳は何公演観ても「まだアツくなるの!?」って際限なくアツい名試合だったし、D2菊丸桃城vs忍足岳人も原作をさらっと読んだだけでは気づかない、4人の理屈と感情がしっかりこもっていてワクワクした。てか試合におけるパワーバランスの調整があまりにもお見事なんだよな、テニスの王子様…。このあと手塚が旅立って、手塚不在で大丈夫!?って思わせるのもすごい構成だ。当然補欠戦の解像度も爆上がりですよ。原作読んだだけではただ″リョーマが強い”ことしかわからなかったのに、ちゃんと日吉の背負うものや失敗、その感情の起伏がリアルな手触りで伝わってきてすごい。キャラクターの奥行きがすごい。肉体を伴った人間が演じるってすごい。時には肉体を持つ人間が演じるからこそ原作を凌駕してしまう瞬間もあるのだけど(今回は特に)、逆にそれこそ舞台化する意義だよなぁと。私はそういう瞬間があるから2.5次元舞台が好きなんだと思う。

氷帝学園のメンバーも、もう本当に…本当にみんな!!!大好き!!!!なんでこんなに好きになれるやつばかり集まった!?テニミュのキャリアがすでにあり、おそらくりょうやの中でも新ミュを超えるのは難しく、年上で、どちらかといえば年上に懐くほうが性に合っているであろうりょうや(しかも跡部景吾役)に合わせたキャスティングってめっちゃむずいなと思うんだけど、なんか、ちゃんと「関東大会の氷帝」の距離感になるキャストが集まったなぁという…。心優しく朗らかでカラッとしてて、りょうやのプライドの部分に踏み込みすぎない配慮があるというか…wいまにして思えばもっと湿っぽくグイグイ行ったほうがワンチャン結束したのかもしれないけど、でも、この感じが関東大会時期の氷帝学園だなぁと思えるリアリティで愛おしかったな。当たり前だけど、新ミュで同じ釜の飯を食ってきた手塚ケンティは越えられないよね。にしては思ったより打ち解けてる気もするし、それでもりょうやと他の氷帝メンの間には薄い膜が見える、リアリティのある距離感でした。

最初は明らかに「跡部景吾with氷帝学園」で、立川楽でやっとりょうやの孤高モードが解除されて、少~~しずつ距離が縮まって、ようやく迎えたTDCで大アクシデントが発生して。最後の最後で「跡部景吾のいない氷帝」というありえない状況に陥ったことで却って一丸となり、最後の2公演でついに“間に合った”氷帝学園だったように思う。あまりにも皮肉で美しい物語!りょうやのプライドに氷帝メンが追いついたように見えたなぁ。跡部不在の特別公演の氷帝メンの声の圧がね~~すごかったんですよ、もう本当に。もちろんそれまでも誇りはあっただろうけど、“俺たち氷帝”のプライドが迫ってくるようだった「勝つのは氷帝」が忘れられない。最後の2公演はりょうやを後ろから援護射撃するような勢いがあり、本当にかっこいい大好きな氷帝学園でした。最後の最後にようやく″チーム”としてのスタートラインに立った感じがするよね。だからこそ…全国氷帝戦は絶対に同じメンツで戦ってほしい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!涙涙涙 マジでさぁ、テニミュのシステムって完璧だけど、シーズン途中のキャス変が当たり前になってるところだけは心底無理…となるよね。そら厄介オタクが生まれるに決まってんだろ!こんなもん観たら願ってしまう、りょうや、30になっても跡部景吾を演じてくれと…………全国やりきったらもう東宝行っていただいて構いませんので…………どうか4thの間は跡部景吾を全うしてくれ…………呪呪呪 すでに思うところがありすぎて5thシーズンで厄介オタクに成り下がる可能性が否定できない。そうなったら私からツイッターを取り上げてください。新しいものを受け入れられないだけならまだしも、オープンな場所で当てこすりじみた愚痴を言う生き物に成り下がったら刺し違えて死にます!!!!!!

ダラダラ書いてはみましたが、結論しては…「油断せずにいこう」かなって…あまりにも真理すぎん?正直油断してたからね。岐阜楽が終わった瞬間、あとはTDCだけか~さみし~!って完全に油断してたから。油断しないってめちゃくちゃ難しいので手塚はすごい。書く隙なかったけど青学メンのことも本当に本当に大好きになったので、六角戦も楽しみです!!!卒業なんて、するな…(また呪いの芽が…)。こんなことを何度も繰り返してる青学のオタクやばすぎんだろ。青学のこともルド吹のことも公演の細部についてももっともっと言うべきことはあるけど、さすがにアレなので氷帝メンの好きなところを書いて締めます。

跡部くん(りょうや):開幕5秒で頭をブン殴られてしばらく記憶を失うレベルの強烈な歌。跡部をやるために生まれてきたような目(特に黒目のサイズ感)。ていうかお顔がとにかくかわいい。気合いが入るときはメイクが濃くなるのもギャルくてかわいい。めっちゃ華奢なのに骨は太いのが跡部くんぽい。特にインサイトの映える手のフォルムが本当に跡部景吾!!決してメンタル強そうじゃないところも、しんどいほど輝いてしまうところも、この人もしかしたら不器用な生き様を全部曝け出して輝いてしまう人なのかな、と思った公演だった。それはもう…跡部景吾じゃん。伝説のS1を最後まで戦い抜いてくれてありがとう。この公演がりょうやの俳優人生のマイルストーンになっているといいな…とオタクは願ってしまう。試練を乗り越えてでっけえミュージカル俳優になってくれ!!

忍足(草地):1年前新ミュ2で初めてテニミュを見てりょやべスゲー!となったところまでは私と同じなのに、その後草地はオーデに受かり跡部くんの隣に座り*12、文字通りりょうやをテニミュ人生の起点に置ける男…片や私はすべてを賭して客席に座っているわけで…新ミュ2出の同期でこんなに勝てないことある????日替わりで活躍してくれるのかと思いきや意外と頑固で生真面目でアドリブと本番に弱い男、愛おしみを感じてしまうよね。しかし本当に試合がよかった。劣勢になってからの忍足の表情があまりにもツボでずっと追っちゃった。ちゃんとよく通るええ声、財産だと思います。髪の色が眼鏡に反射して、瞳の色が青く見えるのも好きだったな~。なんかめちゃくちゃロスってて…おまえそっちのタイプだったんだ!?ていう感じも忍足っぽくて良。

宍戸さん(広井くん):お恥ずかしながら宍戸さんのことをあまり考えたことない人生だったんだけど…………宍戸さんって…………最高にいい男じゃない!?!?!そら長太郎もああなる、とスッと理解できる最高解釈。試合のアツさはもちろんなんだけど、それ以外の対チームメイトの振る舞いもあまりにもいい男すぎて…敗退すれば自分も引退なのに、負けた後輩にいち早く笑顔で駆け寄れる器のデカさ…恋じゃん。跡部くん不在の特別公演、アツい選手宣誓で不安げな空気を一掃し、TDCを埋める2000人が宍戸さんに恋した瞬間を忘れないよ!千秋楽でふとベンチを見たら、試合を微笑みながら見る宍戸さんの横顔がまるで聖母のように美しくて泣いた。すっぴんは顔がおぼこすぎて驚きます。役者やね。

岳人(いおたん):な…なんて有能…!10代なのに…!歌える踊れる日替わりアドリブベンチワーク何でもできる、しかもめちゃくちゃかわいくてアクロバットもできて人懐っこく、30代が慄くほどいまどきのキッズなのに社会性もしっかり持ち合わせている、なんて隙のないテニミュキャストなんだ…!!!!!!日替わり偏差値の低すぎる氷帝において、頼りになるのはいおたん(と賀三先生)だけと言っても過言ではない。できることならギャラを上乗せしてあげたい。菊丸とのインアウト口喧嘩ほ~~んとにかわいかった!全国ではもっとかっこよくなって帰ってくるんだろうなあ!!!だからお願いだ…全国も…出てくれ…頼むよ…みんなべしょべしょの大千秋楽公演で泣かずにカラッとしてたのもむっちゃかっこよかった。最高。

ジロー(賀三先生):青学も氷帝も1公演ごとに少しずつニュアンスが変わる中、最初から最後までガチで一貫して安定感のありすぎるパフォーマンスを見せていた賀三先生…あまりにもかっこよすぎるだろ!!さすがっすわ!しかも解釈もドンピシャリ、無邪気で明るくてかわいいのが95%、残り5%で「だからこそ強くて残酷」というニュアンスもしっかり滲み、大胆なのにしっかりと筋の通っているとんでもない強者だった。ベンチワークもめ~っちゃかわいい…好き勝手に暴れ回ってはすぐ寝ちゃうの、残酷な神様みたいじゃない?ともすればシリアスに引っ張られちゃいそうなときも決して引っ張られず、だが浮かない程度にテンションを落として芝居をするという、職人技のようなテンションの調整が最高でした。そして言及せざるを得ない横山賀三ゲーム。まさかの前楽日に放り込まれたスットコ氷帝動画。「あ、こういうチーム…!」と残り1日で知る俺たち。

滝さん(中田くん):美人ですっごいおしゃれで優しくてきれいなお兄さん。滝さん初日から楽までの間に一番キャラ変わってたけど、初期の悪役令嬢みたいな滝さんが微妙に無理をしているように見えたのは、きっと中田くん自身がとっても優しくて朗らかなお兄さんだからでしょう。てか滝さんの役作りって大変だよね…原作…出てなさすぎるもんね…。こないだ届いたTSC会報のアンケート、「通知表によく書かれてたこと」の回答が「男女関係なく仲が良い」で一気に理解。あまりにもわかる。D2後に岳人と忍足に水渡したり、岳人曲のあとにジローに鏡見せてもらって髪直してたり、S2でベンチにカマしてくるジローの相手をしてたり、何気にベンチワークも好きだったな。D1後に宍戸さんとグータッチしてんのも…いいよね…

樺地(栗ちゃん):新ミュ2から跡部様を支え続けた樺地。も~~~絶対に栗ちゃんがいるのといないのでは全然違うチームになってたしりょうやのスタンスも違ってただろうから、ありがとう!!!!!!新ミュの時点から「4thの樺地が栗ちゃんじゃなかったら暴れるが…」と思っていたので、いてくれてよかった…。S3本当に本当によかった。最後の方はずっとベンチでしんどそう(物理)な跡部くんにそっと仕える姿に涙。栗ちゃん自身も朗らかで優しく思慮深いところが公演中折に触れて伝わってきて、ありがてえ~~……としみじみ感じた2ヶ月でした。氷帝2年ほんとかわいいんだよな。3年生が去ったコートで氷帝コールを聞く3人の画が忘れられない。あと横山賀三ゲーム気に入ってるのめちゃくちゃおもろい。

長太郎(陸くん):長身にかわいいお顔と高い声、なのにゴリゴリに踊れて試合で急に獰猛さを増すオタク殺しの狂犬長太郎。なんだそのスペック!立川の段階でも相当獰猛だったけど、公演を重ねるごとにどんどん“野性”がほとばしって獣のように試合してんのが最高すぎた。その切実さたるや、バタフライエフェクトにより宍戸さんが死んでしまう未来を阻止するために10年後からタイムリープしてきて絶対にこの試合で勝たなければならない使命を帯びていると言われても納得してしまうレベル。自己肯定感が高くメンタルの強い令和の鳳長太郎、良かったな~~…ネットにつくときヴッ!!!!!って唸るのがめちゃくちゃ好き。ベンチで日吉に構ってウザがられてるのもウルトラキュート。この調子でオタクを一撃必殺する役者になってほしい。

日吉(ふーた):誰がどう見ても今作の伸びしろ枠。そして「ポテンシャル採用の10代」に客が期待するすべてをしっかりと見せつけてくれた俺たちのスーパールーキー!!!期待には応え予想は超える、という言葉が本当にぴったりで…若さの可能性に胸が熱くなってばかりでした。立川初日、すっごい顔はいいけど本当に何言ってんのかわかんねえ…!と戦慄したあの日が忘れられないよ。そして千秋楽の昼公演で見せた鬼気迫る戦いぶりも。「ああ、覚醒した!」と誰が見ても感じられる頼もしい姿!思い出しても泣きそう。優しいお兄さんに囲まれ、公演を通じて素直にすくすく育ち、最後は跡部くん(りょうや)の不在によりついに確変に入るという、間違いなくこの作品の主人公の一人でした。舞台上もそれ以外もピュアで素直でかわいくて、ふーたが楽しそうにテニミュ出てくれてるだけで嬉しかったよ~。今後どれだけ売れても一生テニミュの話してくれ!!大人になったいおたんとふーたのセッカチダブルスを見ずに死ねないのでマジで頼む。

もしかしたら私が一番書きたかったのはふーたの話かもしれん。だってこの手のドキュメンタリーを目の当たりにすることこそオタクの至上の歓びじゃん!!!「現実はどんなフィクションよりもドラマチック」を地で行くふーたとりょうやに心を揺さぶられ続けた2ヶ月でした。

テニスの王子様」は青学が勝ち進む物語だけど、当たり前に全キャラクターにドラマがあって、演じる役者自身にも物語がある、ということを強く感じられる(感じさせられる)公演でしたね。こうなったらもう全部見届けるしかないので六角戦も3回くらい行きたいな~…って思ってるけどわかんないよね…ダビデに激ハマりして爆裂通ってしまう危険性、大いにあるわ。てかその前に上映祭とかあるし…マジでテニミュだけ見て1年終わるよ!怖すぎんだろ。今確実に言えるのは、全国氷帝戦では同じくらい…いやそれ以上に頑張るということだけ。2年後だか3年後だかわからないし、その頃自分が何してんのか未知数すぎるけど、頑張ります。勝つのは氷帝!!!!!!!!!!!!!!!!!ありがとう4th氷帝学園!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!3月は配信をコスり倒して命をつなぎます。ブログ書くまで配信見ないって縛りを自分に課してたから、これでやっと見れる~!

自分で振り返るために各公演のツイートを貼っておこう…本当にフォロワーのみんなごめんな…狂ったようにTL埋めて…当然ながら勘違い見間違いも多いですが、現場直後のオタクだから勘弁してつかあせえ。

*1:私がハマったのはミュージカル『新テニスの王子様』という演目で、跡部くんは日本代表選抜の一員として出てきた

*2:テニミュのオタクからしたら「何をいまさら」でしょうが!

*3:フィギュアスケートとかああいう競技はまた別だろうけど

*4:後述の話にもつながる

*5:録音では対応できない曲・演出は生歌

*6:トラブル遭遇確率が1/1になるか、1/10になるかという話

*7:しかも推し

*8:ともすれば、今回よりよっぽどヤバい

*9:選手宣誓の跡部パート♫さあ俺様の美技に酔いな〜がセリフ調になる等

*10:連日のテニミュ通いで思考が冴えわたり、“悟り”に手が届きかけたオタク

*11:草地談

*12:ジロー曲…初日以外まったくメインが見れていない